A Book:今の私を映してくれる鏡のように「ドジっ娘リーダー奮闘記」
2010年06月28日 21:00
今日は「ドジっ娘リーダー奮闘記」という仕事の上でのチームを率いる「リーダー」について書かれた本を紹介しまーす。
グラフィックデザインのリーダーとは
高校生の皆さんの中には「リーダー」なんて言われても、グラフィックデザインの現場って、グラフィックデザイナーひとり一人の技術力や感性、経験値など「個人」の能力がモノをいう世界と思われている方もいるかもしれません。
私もこの世界に足を踏み入れるまではそう思っていました。
だって、グラフィックデザインや広告の専門雑誌に写真で紹介されていたのは、眩いばかりのいわゆるスターデザイナーさんが一人パチリ。
TVで見たあのCMも、駅でみかけたあのポスターもこの人が作っていたんだー!などなど、どうしても個人にフォーカスされがち。
ところがどっこい一歩足を踏み入れ先輩たちの仕事っぷりを目の当たりしてみれば、最初から最後までグラフィックデザイナーひとりで完結している仕事なんてひとつもなかったんですねー。
例えば、あるプラント(工業設備)系のお客様の会社案内などを制作する時には、グラフィックデザイナー、コピーライター、カメラマン、イラストレーター、印刷会社の担当、そしてディレクターなど、社内外のスタッフが集結し必然的にチームとなって制作にとりかかります。
このチームは個々の役割も能力も年齢もキャリア(経験値)もまーったく異なるクリエイターが集まっています。当然、お客様の目的や課題を解決するため、目標を定めてスタッフを率いていかなければならないリーダー的な役割が必要なのです。それが頭にクリエイティブやアートがつくディレクターなのですね。
そうなんです、私たちグラフィックデザインの現場でも仕事ごとにチームを組み、その中には(規模の大小による時もありますが)ディレクターというチームを率いる「リーダー」が必要なんですね。
そしてその仕事が成功するか否かはその「リーダー」の手腕ひとつにかかっているといっても過言ではないでしょう。ゆえに責任も重大。しかも、さまざまな能力をもったひと癖もふた癖もあるクリエイターをまとめあげなければいけないのですから、中にはあんまりやりたくない方もいるかもしれませんね(私なんて今でも苦手・笑)。
高校生にリーダー論?
でもでも、今日紹介するこの「ドジっ娘リーダー奮闘記」を読めば、高校生の皆さんもこの難しそうな立場の「リーダ」を目ざしたくなるかもしれませんよ。
この本の舞台は、私たちの業界とは異なるIT業界。新米ドジっ娘リーダーのシンコちゃんの成長をとおして、「リーダー」として必要な「考え方」「振る舞い」「思い」がすんなりと伝わってきてストンと胸に落ちてきます。
それはこの本が、おじさんたちが読む難しそうなビジネス本とはちょっと違うところがあるからだと思います。
●違うところその1
シンコちゃんと先輩リーダーの輩田(やからだ)さんとの(高校生の皆さんにはちょいと理解不能な)オモシロい(古くさい)ダジャレがちりばめられた「場面ごとの対話形式」で進むこと
●違うところその2
とってもかわいらしいアキバテイストのイラストが随所に使われていること
●違うところその3
場面ごとのエピソードはすべて著者の方の実体験!をベースにされていること
これらのことで、読む人自身の今おかれている立場や環境に、彼らのエピソードをストンと重ね合わせることができるからだと思います。
それはなにも大人にかぎったことではないと思います。これから進学という大きな目標を定めて社会をめざす高校生の皆さんの胸にもストンと落ちてくるヒントが満載だと思います。
▲シンコちゃんと輩田さんが古くさーいダジャレ(しつこいですね)交えて展開。登場人物の名前もすべてダジャレってるのでした。
リーダーとしてのディレクター
私がこの本を読み終えた時に目に浮かんだのは、今から10数年前、新米ディレクターとしてある大型商業施設の年間販促キャンペーンを、それまで担当されていた先輩ディレクターに変わり急遽担当した時のことです。
チームとして集まっていただいたのはデザイナーさん、コピーライターさん、カメラマンさん、いずれも私よりも年上でキャリアも10数年上の方々ばかり。正直なところ「僕は何をすればいーのだろう…というよりも、このお歴々の方々の中で何ができるのだろう…といよりも、いますぐ逃げたい…」てな感じでした。
案の定、思うようにチームをリードできずお客様に心配をかけてしまう始末。その私のつたないリードを辛抱強く見守って、時に厳しくアドバイスしつつ、ともにリードしてくださったのがチーム内のベテランデザイナーの方でした。あの方が私の輩田さんだったんだなあーとシミジミ。
あの時、チームの皆さんに背中を押していただきながら、できることはもちろんのこと、それまでできなかったことも自分からやることで、自分自身に「リーダー」を経験させるのが精一杯だたけど、この時の経験があるからこそ今の私があるのだと思います。
そしてディレクターとして10数年を経た今でも、この本で輩田さんが「喝っっっ!!!」と叫ぶたびに「ドキっ」としてしまいます。
例えば
・決めたことを続ける「継続力」
・メンバーにできないことをもつ「スペシャル力」
・毎日少しずつでも目標に向かって考え行動する積み重ねが大事
・どうすればよりよくなるかを考え、自ら動く人
・誰でも答えがすぐにわかるような課題なら、やる価値もほとんどない
・問題点は指摘するよりも解決策を出す
・今できないことにチャレンジするからこそ価値があるしワクワクする
・深く考えるために「なぜなぜ5回」
・考えるよりも経験させる
などなど、それは今の私にディレクターとして足りないところを、この本が鏡のように映してくれているからだと思います。そして、きっとこの鏡のような本は高校生の皆さんの役にも立ってくれると思います。
ということで、シンコちゃんを見習って明日もがんばろっと!
今日も生き様更新中!
山口デコ


コメント
■この記事へのコメント
著書をご紹介いただきありがとうございます。
すてきな文章ですね!読んでいてジーンときてしまいました。。
Posted by 小俣 | 2010年06月29日 11:01
初めまして!
著者の方からコメントをいただけるなんて
うれしいです。ありがとうございます!
このブログサイトにはIT関連のブログの方もいますし
本当にいろいろな方におすすめできる本だと思い
ご紹介させていただきました。
ではではー。
Posted by Yamaguchi | 2010年06月30日 12:07