DTP(といってもアナログの時代はフィニッシャー)を生業にしたわけ
2008年08月30日 11:03
高校卒業して最初に就いた仕事は、コンピュータのプログラマー。高校時代は美術部に所属して、3年の選択も文系(生物)。理系は大の苦手なのに何故だかプログラマーを職業にしてしまった。でも物を作り上げるというプロセスはプログラミングも同じ。だからと思って就職したんです。
しかし、現実は甘くなく、1年半で挫折。その後九州に戻り、先輩の勧めで先輩(高校の美術部の)が勤める印刷会社へ就職。
初めて見るグラフィックの現場は、レイアウト用紙に起こしたラフ案に沿って、ロットリングで墨を入れ、そこに写植文字をペーパーセメントで貼っていくという、職人の世界だった。
先輩のレイアウトの意味を理解して版下を作る作業は、ただきれいに版下を仕上げるだけでは思った作品にできないこと。タイトル文字とボディ(本文)の微妙な間隔と空間は、フィニッシャーの腕にかかっているのだ。デザイナーが気に食わないと、どんどん修正が入る。1ミリの位置のずれが、レイアウトのバランスを崩すといったことは日常茶飯事。そこで、我輩はミッチリと基本を仕込まれた。
それから10年、時代は変わりパソコンを使ったデザイン、DTPへと様変わりする。
デザイン…写植…フィニッシュ…製版といった分業が、いまや一人のデザイナーやDTPに集約されるようになった。それは、各分野の技術を一人のデザイナーやDTPがすべてこなさなければならなくなったことを意味する。
このことはデータの完成度に直結する。
ときたま、他のデザイナーのデータを修正する時があるが、レジストレーションマーク(トンボ)とアタリケイがずれていたり、オーバープリントのチェックが抜けていたり、不要な孤立点(特にフォント)がレイアウトのあちこちにばらまかれていたりと、とても不細工で危険なデータが目立つ。これは、後に印刷(製版)行程で修正がなされるのだが(そうしなければ版として出力できない場合や、色ずれの原因になることがある)、やはりグラフィックデザイナーとしては、基本的な印刷のことは知識として持っていなければならない。
とはいえ、人間だから間違いは起るもの。だから「検証」が必要なのだ。専門的なツールで自分の作ったデータを確認・検証したり、それぞれのアプリケーションの機能を使って検証する。
これが間違い、刷り直しを回避する最良の方法だと思う。
デザイナーの感性を的確に表現して、さらにミスの無いデータで仕上げる。これがDTPの“技”なのだ。
当然、DTPにもデザインの感性が必要なのは言うまでもないこと。
“感性の仕事”を“完成の仕事”へ。
細部にわたるチェックの目。これがDTPの使命なのだと、我輩は思う。


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