
友人である、元『暮しの手帖』副編集長の二井康雄(ふたい・やすお)
さんが「時代遅れの書き文字展」と題した書の展覧会を、
荻窪のギャラリー6次元で開催中。
覗きにいかせていただいてきたが、これはよかった。
二井さんは『暮しの手帖』誌の副編集長として長きに渡り
勤めてこられた方で、雑誌中のあの親しみある手書き文字も、
すべて二井さんの手になるもの。
以前、二井さんに「ペンでこれだけ味のある字を書かれるのだから、
毛筆を使って書いたら、またちがった奥深い味わいが出てくると
思いますよ。」とアドバイスさせていただいたことがあったが、
今回の展覧会では、まさにその二井流の毛筆文字を見せていただき感動・・・
二井さんは書のプロではないが、二井さんの書く文字には
詩情があり文化がある。
一方、書家の書く書はどちらかというと、そういった背景に関係なく、
筆技を駆使して、書としてのみ立派に書くことに腐心したものが
少なくないように思われる。
しかしながら、二井さんの作品が見せてくれているように、
最も大切なものは、目には見えない奥底に潜んでいるのだ。
字が上手いというのは素晴らしいことに違いないが、
書家や書道家といわれる人たちが、能筆という次元を超えて、
ほんとうに良い書を書こうとするのであれば、技を超えた
バックグラウンドを豊かなものにしていくよりほかないだろう。
二井さんは詩人であり、歌人でもあるため、その詩情世界は
実に豊かなロマンに満ちあふれている。
時代遅れ・・・などと自嘲しているが、枯淡の味をもちつつ、
今にして新しい書・・・まさに「書は人なり。」で、
その詩情世界が、書にもおのずと立ち表れているように思う。
好みは別にして、その人一流の世界観のある作品というのは
豊かな広がりと奥行きがあって見飽きない。
よいものを見せてもらった。二井ワールドに、乾杯!
●二井康雄「時代遅れの書き文字展」
9月15日(火)まで、JR荻窪駅そばのギャラリー6次元で開催中。
展覧会の詳細については以下のサイトを・・・
http://www.6jigen.com/gallery.html#futai
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